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六畳さん蜘蛛を食べるかい、と、空の五郎が言った。
雲?
まんべんなく結露したSサイズの紙コップがジェルスカルプの逆フレンチを濡らす。
一月前、葵に作ってもらった爪だ。
綿菓子みたいな感じかしら、と言ってから発想の凡庸さを呪いたくなるわたし。
てか、わたしが呪うべきは葵。
レジカウンターから戻ってきた五郎は、薔薇色のトレイをわたしの前に置く。
その中央に厚紙を折っただけの簡素な立体造形物、その隙間から小さい毛蟹のようなものが幾つも。





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